ブランドストーリー

ブランドのはじまり

TOTONIQ(トトニック)は、「自分の時間を整える」を大切にする想いから生まれました。
忙しい日々の中でふと立ち止まり、自分だけの整う瞬間を持つこと。その時間に寄り添うパートナーとして、私たちはイタリアンレザーのバッグを選びました。

ブランド名の由来

TOTONIQ という名前は、日本語の「整う(ととのう)」と、「トニック(心を落ち着かせる調べ)」を重ねた造語です。

「整えることで、人生の基調をつくる」── そんな意味を込めています。

私たちの哲学

私たちの理念は「人生を豊かにする体験」を提供すること。革製品は単なる道具ではなく、時間を重ねるほどにその人の物語を刻み込む存在です。TOTONIQは、持つ人自身の成長や挑戦を支える「きっかけ」となることを目指しています。

クラフトマンシップ

私たちのバッグは、イタリアの小さな工房で職人の手によって一つひとつ丁寧に仕立てられています。本革ならではの豊かな風合い、そして時と共に変化する色艶は、世界にひとつしかないあなたのパートナーへと育っていきます。

これからの挑戦

TOTONIQは、あなたの暮らしに寄り添い、長く使える価値を届け続けます。日々の小さな整えから、大きな挑戦の一歩まで。革のバッグが、あなたの物語をともに紡いでいくことを願っています。

TOTONIQは、あなたの毎日に「整う瞬間」と「大切な時間」を届けていきます。

TOTONIQ ― 革が教えてくれた、時間の整えかた

イタリア・トスカーナ地方の小高い丘に、サン・ミニアートという小さな町がある。
その朝は、オリーブ畑を渡る風の香りで始まる。
薄靄の向こうに、小さな石造りの工房が見える。1957年創業──ロメリ家の工房だ。

祖父アントニオは、無口で手の分厚い男だった。
戦後の貧しい時代、彼は村の誰よりも早く工房に灯をともした。
「金じゃない。これで誰かがまた歩けるなら、それでいい」
そう言って初めて仕上げた一枚の革は、村の靴職人のブーツになり、
祭りの日、土埃の中で陽光を受けて輝いた。

二代目ルイジは、父とは違い、頭の回転が速く都会的だった。
効率を求める時代の波が町を変え、彼も迷いの中にいた。
ある晩、作業をやめて煙草をくゆらせる彼に、妻マリアがそっと言った。
「ルイジ、あなたの革は、急いだ日には匂いが違うわ」
その言葉に、彼は煙を吐きながら苦笑した。
「やれやれ、うちの革は正直者だな」
そして翌朝、再び手で磨く音が工房に戻った。

三代目マルコは、子どもの頃から祖父の木槌を玩具にしていた。
頑固だが、笑うと目尻が深く下がる、陽気なトスカーナの男だ。
彼の工房を、遠く離れた日本で知ることになったのは──
アメリカで取引をしていた一人の商社マンの話からだった。

その男は、マルコの古い友人で、いつも飾らない口調で語った。
「彼らの革はね、仕上げるたびに“時間”が香るんだ」
冗談めかして笑うその声に、不思議と重みがあった。

後日、彼が送ってくれた一枚の革を手に取った瞬間、
言葉ではなく「静けさ」が胸に広がった。
時間を整えるとは、こういうことか──そう思った。

ロメリ家の革は、時代に抗うのではなく、
静かに「変化を受け入れる力」を宿していた。
その哲学に心を打たれ、私は日本で新しい挑戦を始めた。
「時間を整える」という想いを名に込めたブランド──
それが、TOTONIQである。

TOTONIQ、
あなたの毎日に、静かな調べを。